睡眠時無呼吸症候群 (SAS)|吹田市の内科・消化器内科・腎臓内科・糖尿病内科|かけはしファミリークリニック

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睡眠時無呼吸症候群 (SAS)

睡眠時無呼吸症候群 (SAS)|吹田市の内科・消化器内科・腎臓内科・糖尿病内科|かけはしファミリークリニック

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは

睡眠中に何度も呼吸が止まり、日中の強い眠気、寝不足感、集中力低下、居眠りなどの症状が出ることがある病気で、日常生活や仕事、勉強などに影響を与えます。さらに怖いのはさまざまな病気のリスクを高めるという点です。潜在的には日本人の1000万人以上に睡眠時無呼吸症候群の可能性があると言われており、自覚症状がない場合も少なくなく、気づかれないままだと脳心血管疾患、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)などのリスクが高まる可能性があるため注意が必要です。一方、適切な治療を行うことで症状の改善や生活の質の向上、さまざまな病気のリスクの軽減が期待できます。睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病をはじめとした内科疾患は密接な関係にありますので、睡眠時の無呼吸やいびき、生活習慣病でご不安な方は、ぜひ当院にご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と生活習慣病との関係

生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満症など)と睡眠時無呼吸症候群の間には密接な関係があります。生活習慣病の一つである肥満は睡眠時無呼吸症候群の主な原因の一つとなります。他にも、睡眠時無呼吸症候群は高血圧や糖尿病の発症リスクを高め、逆に高血圧や糖尿病の方が睡眠時無呼吸症候群を合併すると血圧や血糖のコントロール増悪の原因になり得ます。また糖尿病、高血圧、脂質異常症などは脳心血管疾患のリスクとなりますが、睡眠時無呼吸症候群を合併するとそのリスクがさらに高まります。脳血管疾患は命に関わる病気ですので、生活習慣病も睡眠時無呼吸症候群もしっかりと管理する必要があります。

睡眠時無呼吸症候群と腎臓病との関係

最近では睡眠時無呼吸症候群と腎臓病との関連性もわかってきています。例えば、慢性腎臓病患者において、睡眠の質が低下すると腎機能が悪化する可能性や(J Sleep Res. 2018 Apr;27(2):281-289.)、逆に睡眠障害が、腎臓病の進行に悪影響を与える可能性が示されています(Nat Rev Nephrol. 2024 Oct;20(10):690-700.)。また他の研究では、CPAPによって、腎機能の低下を抑えたり(Chest. 2021 May;159(5):2008-2019.)、腎障害の指標となる尿中アルブミンを改善する可能性が報告されています(Am J Respir Crit Care Med. 2023 Mar 15;207(6):757-767.)。今後のさらなる研究が待たれます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断は問診や診察に加えて、睡眠中の状態を詳しく調べる検査が必要です。

①簡易睡眠検査

簡易睡眠検査をまず行います。検査自体の費用は保険診療3割負担の方で3000円程度です(診察費などを除く)。小さな検査機器をお貸しして、ご自宅にて検査機器を取り付けて一晩寝ることにより呼吸状態、動脈血酸素飽和度、脈拍の測定ができます。

②終夜睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)検査

もし簡易検査の測定結果から、さらに詳しい情報(脳波など)を測定する必要があると判断された場合には精密検査を行います。当院では利便性のこともあり、簡易検査と同様に検査機器を貸し出して、ご自宅で行うことの出来る精密検査を行っており、検査自体の費用は保険診療3割負担の方で12000円程度です(診察費などを除く)。より精密な入院して行う検査もありますが、入院が必要なため時間的な拘束があること、入院費用なども加わり費用負担は大きくなるデメリットがあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法

症状の重さや生活習慣などを考慮して、相談しながら決めていきます。軽症の場合は、生活習慣の改善だけで症状が改善するケースもありますが、中等症以上の場合は、医療機器を使った治療が必要となる場合があります。

①生活習慣の改善

減量、喫煙、節酒、横向きで寝ることなどが勧められます。特に体重については、アメリカの研究では4年間で体重が10%増えると無呼吸低呼吸指数(AHI)が32%増加し、10%減るとAHIが26% 減少すると予測されると報告されています(Am J Respir Crit Care Med. 2021 Jan 15;203(2):161–162.)。また横向きで寝ると、仰向けで寝るよりも気道が狭くなりにくいため、AHIが改善すると言われています。喫煙は気道の炎症を引き起こし、飲酒は気道の筋肉の弛緩を引き起こすことで気道の狭窄に関わります。

②CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

自宅で睡眠中に鼻にマスクを装着して、そこから空気を送り込むことで、気道を広げて呼吸を楽にする治療方法です。CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の治療において最も効果的な治療方法の一つであり、多くの患者さんで症状の改善が見られます。

③口腔内装置療法(マウスピース)

歯科医院で作成します。口の中に装着して、下顎を前に押し出し、気道を広げる治療方法です。CPAP療法が合わない方や、軽度から中等度のSASの方に適しています。

④手術療法

アデノイドや口蓋垂の肥大など、気道の構造的な問題がある場合に検討されます。